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2005年9月26日 (月)

『SHINOBI』見てきたよ

まあなんていうか、最初から期待はしてなかったから、こんなもんだろって感じかな。話題性だけを追究したって印象があったので。お金はかかってたらしいけど、かといって面白かったかと言われるとそうでもない。お金かけりゃいいものが出来るわけじゃないっていうのをひしひしと感じました。

まずはキャスティングについて。

予告の時から思ってたけど、仲間由紀恵もオダギリジョーも時代劇しゃべりは向かないよ。口が回ってなくてしゃべり慣れてないのがモロバレ。おのずと感情も乗りにくくなる。よって演技がうそ臭い。…ううん、残念。

2時間通してみた結果、仲間さんはそんなにひどくなかったんだけど、オダギリジョーがどうしてもダメだった。最後まで違和感だった。

って書くとオダギリジョー嫌いみたいだけどね、個人的には大好きなんですよ! ビギナーの時とか勝手にオダギリジョーブームが到来してたりしたくらい。

で、思ったのだが、これは明らかなキャスティングミスだろうと。オダギリジョーは現代劇に向いてるんだよ。現代っ子の微妙な心理描写とかはうまいと思うのよ。今回も喋り方ずっと現代人ぽさが抜けなかったしさ。あの喋り方は、現代劇でやれば「お~、普通っぽい」って客の共感を呼ぶ武器になるんだけど、時代劇でやると「うわ~、うさんくせ~」って逆に欠点になっちゃう。難しいものね。この役をオダギリジョーにやらせたいんだったら、棟梁の孫なのにうつけ者とかの設定にして、もうちょい現代風にしゃべってもいいようにするだとかしたほうが良かったね。作ってる側としては相当葛藤を抱えただったんだろうけど、うまく表現し切れなかった感じ。(まあ、オダギリジョーの演技云々の前に台本がいまいちってのもあるけどね)

仲間さんは、期待してたよりよかったです☆ 沈鬱な表情がステキだな~と思いました。

だけど、育ちのいい女性の役を丁寧に描いたというだけで、エンターテイメント性に欠ける感じだったかな、とも思います。や、別にトリックやらごくせんやらのテイストが欲しいってわけではなくてね、もうちょい内面を掘り下げた表情が欲しかったかな、というか。彼女だってすごく葛藤を持ってる役のはずなんだけど、綺麗過ぎる気がした。

最後の弦之介との戦いの後や、家康に里のことをお願いするシーンは、もうちょい表情が強く出ても良かったのでは。綺麗な朧が表情を歪めるほどの出来事が起こったシーンだと思うのですよ。美しい彼女が、美しさなんて気にせず表情をあらわにすることで、どれだけ彼女にとってキツイことなのかってのが見てる側に伝わると思うんだ。どんなに顔を歪めたって仲間さんは綺麗なんだから大丈夫だよ! もっと朧のいろんな表情が見たかったな。

細かいけど、弦之介が倒れるところは、彼を支えようとして支えきれずに一緒に崩れて欲しかった。立ち尽くすより、そっちの虚しい努力の方が個人的には好み。

あ、あと、闘うと決めた前と後の変化も乏しかったかな。(これも、台本上きっかけとなるエピソードが弱いって原因もあるけどさ)

朧・弦之介を抜いた伊賀・甲賀の五人衆の方々、キャラは濃くてよかったと思います。

特に白髪ロンゲ+紫リップで頑張ってた椎名桔平さんに拍手。声とかエコーかかっちゃったりして凄いです。キャラの設定も凄いです。

後は、夜叉丸が好き。綺麗なのかキモイのか際どい感じが面白かった。(オイ) アクションシーンの衣装と髪の動きが画面を豪華にしてるな~と思って、彼のアクションシーンは大変面白かったです。着地すると微動だにせず胡坐かいてるってのもナイス。

ただね~…「ここに5名の名前を書け」って言った時点で危ないな、とは思ったんだけど、

それだけキャラ出したら消化不良になるに決まってるだろ!

せっかくみんないいキャラしてるのに、みんな心理描写がたりないのな。全然掘り下げられてない。描き方によってはみんな共感できるいい葛藤を持ってるはずのキャラたちなのに、ぶっちゃけこっちはついていけない。感情移入する前にみんなぱたぱた死んでいってしまったよ。

これはシナリオの問題ですよね。伏線の張り方が足りないんじゃないかな~…。

蛍火と朧の関係性ってのはこの話で重要な部分のはずなのに、蛍火が死ぬ直前にちょろっと語られるだけで終わってしまう。2人がどんなに互いを思いやってたとしても、それを先に描いとかなきゃ客は感情移入できないわけですよ。何か2人の関係性が分かるエピソードが欲しかった。蛍火のセリフで朧に感謝していることを語らせても、客は「ふ~ん、そうなんだ」くらいにしか思わないよ。特に思いいれもないまま蛍火が死んでしまったせいで、その後、朧が闘うことを決意するというのも、きっかけとして弱い感じがするしね。ううん、もったいない。

なんか、全体的に言葉で説明しようとしてる感があるなと思った。最初がいきなり状況説明の字幕で始まるし。もっとも重要である朧と弦之介の愛が「運命」って言葉で片付けられて、どうして2人が強く惹かれあってるのか分からない。いきなりラブラブだよ~…って唖然としたわ。お幻の朧に対する「お前は優しい」みたいなセリフも説明くさく感じたな。朧の優しさはエピソードで描くべきだったと思う。

言葉で説明しちゃうと、どうしても客観的な感じになっちゃって感情移入しづらくなる。もっと見てる側が感じ取るつくりにして欲しかったなぁ…。

映像はなかなか綺麗でした。空・山・靄など自然の色がいい感じでした。日光がきらーんってなるのも好き~。だけど、所々CGで合成してますってにおいがぷんぷんするシーンがあって、テンションが下がった。綺麗なシーンと微妙なシーンの差が大きかったような。家康のお部屋はありゃねぇよって感じ。

映像ではずせないのが、やっぱアクションシーンですよね。今回ワイヤーアクションが話題だったわけですが、まあ頑張ってたと思う。さっきも書いたけど、夜叉丸のアクションシーンが個人的にはお好み~。どうやって撮影したのかなって興味津々でした☆カメラワークも工夫されてて、迫力ありましたぞ。

あとは~、音楽か。まあ可もなく不可もなく…かな? 悪くなかったですよ。雰囲気にはあってた! でも特別ぞくぞくするような曲もなかった。

ただ、個人的には主題歌に浜崎あゆみを持ってくるのは安直でいただけない。浜崎の必要性を感じない。とりあえず今日本で売れてる歌手だから浜崎あゆみ起用しました、みたいな。まあ、いつもよりは壮大な曲になってたからSHINOBI主題歌としての意識はあったのだろうけど、かといって別にだったなぁ…。

とまあまたもや長々と書きましたが、こんな感じです。残念★★☆☆☆。

葛藤フェチなので、もっと葛藤を深く描いてほしかったな! 

まあ、話題作ではあるから、気になる人はとりあえず見ればいいんじゃないでしょうかね。ただ、あんまり期待できないよ、って感じです。

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